憲法を変えて戦争へ行こう! !

イギリス文学最古の英雄叙事詩である『ベオウルフ』. 12月1日からは全編モーションキャプチャーが使用されたロバート・ゼメキス監督作品が公開されますが、1999年に一度この物語が映画化されていたことを思い出し、ダイアン・レインの元夫クリストファー・ランバート主演作を見てみました. 正直な感想を言いますと、B級すぎてちょっと眠かったです. そもそも『ベオウルフ』という作品自体は中世デンマークを舞台に勇士ベオウルフが謎の怪物を退治するという話らしいのですが、このクリストファー・ランバート版は近未来が舞台なんです. でもベオウルフ以外の登場人物の衣装はどう見ても中世騎士のもの. しかも武器と言えば剣が主流で飛び道具も弓矢しかなく、銃なんて欠片も出てきません. ですから必然的にこれは中世のお話なんだと思って見ていれば、死体袋にファスナーがついていたり武器を研磨する機械が電気で動いていたりと、これはいったい過去なのか未来なのかどっち? てな具合に中途半端なんですよね. しかも中途半端はこれだけではありません. 戦闘に長けている様子のベオウルフが戦うシーンも昔の仮面ライダー並みテンポが中途半端ですし、謎の魔女がジョージ・ルーカス似の国王に色気で詰め寄るシーンなどはポルノ作品と見間違うほどのしょぼさ. そして肝心の怪物は仮面ライダーに出てくる怪人でボツになった企画を頂戴しましたぐらいにしょぼい、気持ち悪い、そして見せ場なし! でラストではこのポルノ魔女がベオウルフに倒された怪物の霊気と融合して、これまたブサイクな怪物に変身するのですが、このブサイクな魔女怪物の倒し方もしょぼい! というか何のひねりもなしなんです. そんな倒し方なら勇士ベオウルフでなくてもできたでしょ? てな具合でした. まぁこんな感じで94分間ひたすらツッコミまくれるB級作品なので、興味のある方は是非ご覧になってください. ちなみにこの映画で私が一番激しくツッコミを入れたのはオープニングすぐのジョージ・ルーカス似の国王が視界窓が一つもない鉄仮面をかぶり怪物の前に現れた時に言う一言. 「前が見えん! 」 当たり前じゃ!!! 深夜らじお@の映画館 は椿三十郎よりもベオウルフに興味があります. という世の中にしないための18人の発言」 という、これは本のタイトルなのであるよな. この辺からも、井上ひさしさんのアソビゴコロが見えて好きなのだ. 井上ひさし さん、尊敬していました. 大好きでした. しばらく、筆が取れない話題であった. 「吉里吉里人」など奇抜な設定と軽妙なタッチの小説や戯曲、エッセーで知られ、護憲運動にも力を注いだ作家・劇作家で文化功労者井上ひさし(いのうえ・ひさし、本名廈=ひさし)さんが9日、死去した. 75歳だった. ※ 時事.com より抜粋 奇抜な設定と軽妙なタッチか. . . 別に奇抜だとは思わんけどな. しかし、「 ひょっこりひょうたん島 」なんて、だいぶセンセーショナルで、日本のコメディというか、テレビの泣き笑いの元祖は、このひとではなかったか. おちゃらけていらっしゃるようで、国語の教科書を読むような、(読み手に対する)優しい敬語と、美しい日本語を書かれる方でした. そもそも、戯曲家(劇作家. 舞台の台本やテレビの台本も描く人. )という方々は、日本語のうまい方、読んでいてイメージが湧きやすい文章を書かれる方が多い. 小生の友人に The New York Times に記事を書くような男がおるのだが、彼はやはりホンを書く 向田邦子 さんを「天才」であると尊敬し、神がもし、なんでも願いをひとつだけ叶えてくれるなら、という問いに対して「 美しい文章を書く才能が欲しい 」と、のたまったことがある. しかしそれは、小生も同感であって. 井上さんの著書から覗いてみよう. 美しい文章を書くためにはどうすればよいか. 「現在望み得る最上かつ最良の文章向上法とは」 ひとことですむ. こうである. 「 丸谷才一の『文章読本』 を読め」 とくに、第二章「名文を読め」と第三章「ちょっと気取って書け」の二つの章を繰り返して読むがよろしい. 以上で言いたいことをすべて言い終えた. あとは読者諸賢の健闘を祈る. ・・・・ まだだいぶ紙幅が残っている. そこであまり役に立ちそうもないけれど、一つだけ書きつけておくことにしよう. 「 むやみやたらに文章を読むことが肝要 」である. 優れた文章家は、ほとんど例外なく猛烈な読書家である. どうかその真似をしてほしい. いい文章を書こうとする前に、感心な読書家になるのだ. ※井上ひさし「 死ぬのがこわくなくなる薬 」より抜粋 これは、勇気のもらえる文章だ. いい読書家は、いい作家になれる. いい視聴者は、いいミュージシャンになれる. いい美食家は、いい料理人になれる. いい部下は、いいリーダーになれる. 「好きこそものの上手なれ. 」小生は、苦しくなるといつも井上さんのエッセイを読んでいた. 昨今ではこれが良かった. キリスト教の洗礼も受け、イタリアに暮らしたこともある井上さんが、その愛の全てをこめて書いたボローニャ礼賛の書. ちょっと目次を抜粋してみましょうか. ・テストーニの鞄 ・大泥棒とこそ泥 ・そのとき、坊やは、背後から撃たれた ・花畑という名の都市 ・二つのイタリア このネーミングの妙と申しますか、ブログも、本も、タイトルが全てだと小生は思っているのだが、もうこの 目次タイトルのつけ方からして天才的 . 良かったですこの本. 「イタリアなんてカッコつけやがって. 絶対行くかばーか. 」と思っていた小生は、HISでイタリアのカタログをもらってきてしまった勢いである. この本は、イタリア人は国なんて信用してないけれども、自分の住んでいる街を愛し、大事にしている、という内容だったんだよな. 「イタリア愛してる人」の文章だったなって. 井上さんは、(日本の本も) 20万冊以上も所蔵 し、美しい日本語で文章を書く人だった. だから、 憲法9条にも固執した. この緑滴る美しい国日本を、国民を、愛し信じていた. 敗戦( 東京裁判3部作 )や原爆( 父と暮らせば )と言う日本人の、人類の悲しみを表現してきた彼. そんな歴史を繰り返さないための、彼の遺言、最後に、記載しておく必要がありそうですね. 九条は戦争ふせぐ最良の方法 井上ひさし(劇作家) ちかごろ、この第九条の中身が古いという人たちがいます. 「平和主義」という考え方は古いでしょうか. 問題が起こっても、戦争をせず、話し合いを重ねて解決していく. その考え方が古くなったとは、私にはけっして思えません. むしろ、このやり方はこれからの人類にとっての課題ですから、 第九条は、新しい ものだといっていい. 日本は正しいことを、ほかの国より先に行っているのです. 「平和主義」という考え方は、人類にとっての理想的な未来 を先取りしたものだといえます. ※ すくらむ~国家公務員一般労働組合の仲間のブログ~ より抜粋 先日のロイター村本さんも、「 撃ち合いなんて 、人間は本能的にイヤだろ! 平和がいいに決まってるだろ! 」っていうことを、できるだけ多くの人に伝えるべくして、ぎりぎりまで現場に踏みとどまってらっしゃたんだと思う. 賛否はあるでしょうが、彼の「最後の映像」もアップし、本日、日本と平和を考える、週末としたいと思います. ※ 討論×闘論 ロイターブログ より 日本国憲法第9条 条文 1、日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、 国権 の発動たる 戦争 と、武力による 威嚇 又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する. 2、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の 戦力 は、これを保持しない. 国の 交戦権 は、これを認めない.