日経平均株価、一時160円下げ 輸出関連

輝かしい新星が現れた. 理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(30)らのグループが、まったく新しい万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の作製に成功した. 筋肉や神経など、さまざまな細胞に変化できるのが万能細胞だ. 万能性があるのは、生命の初期である受精卵など、特殊な細胞に限られるというのが生物学の常識だった. だが近年、万能細胞を人の手で生み出す研究が進み、すでに、受精卵を壊してつくるES細胞山中伸弥・京都大教授らが遺伝子を導入する方法で開発したiPS細胞がある. STAP細胞の大きな特徴は、弱酸性の液体に浸すなど細胞を外から刺激することで、ずっと簡単につくれるところだ. 一昨年英科学誌ネイチャーに論文を投稿した当初は突き返された. だが追加の証拠をそろえ、掲載にこぎ着けた. 最初に拒絶した専門家は「何百年にもわたる細胞生物学の歴史を愚弄(ぐろう)している」と激しい意見を付けてきた. これはいまや最大級の賛辞と読まれるべきだろう. まさに教科書を書き換えるような大発見である. 博士号をとってわずか3年. 若い小保方さんの研究過程は、決して順風満帆ではなかった. 「誰も信じてくれない中で、説得できるデータをとるのは難しかった」「泣き明かした夜も数知れないですが、今日一日、明日一日だけ頑張ろうと思ってやっていた」と振り返る. 化学畑の出身で、生物学の既成概念にとらわれず、自らの実験データを信じた. 一人また一人と周囲の研究者を味方につけ、数々の壁を乗り越えた. 変わってきたとはいえ女性の働きづらさが指摘される日本で、これほど信念に満ちた研究成果を上げた小保方さん、そして彼女を支えた共同研究者のみなさんはすばらしい. 「21世紀は生命科学の時代」といわれ、日本政府も力を入れる. 小保方さんの属する理研の発生・再生科学総合研究センターは00年に神戸市にできた. 基礎研究から治療への応用まで、再生医学を総合的に進める態勢づくりが結実したようだ. 特大ホームランを放った小保方さんに限らず、きっと同じように「もう一日だけ」と頑張っている研究者がたくさんいるだろう. そう考えると、日本の科学への希望も膨らむ. 教科書を学ぶ学習を卒業し、教科書を書き換える研究の道に進む. 強い信念と柔らかな発想に満ちた若い世代の飛躍を、もっともっと応援したい. 20日の東京株式市場は、日経平均株価が一時160円を超える値下がりとなった. 円相場が一時1ドル=103円台後半とやや円高にふれ、輸出関連企業の株式を中心に売り注文が先行する. 午後1時時点は、前週末の終値より99円17銭安い1万5635円29銭. 東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は、同3・84ポイント低い1293・55. 午前の終値は、日経平均が同97円67銭(0・62%)安い1万5636円79銭. TOPIXは、同3・84ポイント(0・30%)低い1293・55. 出来高は12億3千万株. 来週から本格化する企業の第3四半期決算発表を控え、「業績の中身を見極めたいと、様子見ムードが強い」(大手証券)との見方もある. アメリカンフットボール日本選手権ライスボウル(朝日新聞社など主催)は来年1月3日、東京ドームで行われる. 3年連続で同じ顔合わせ. オービック(社会人)は史上初の4連覇、関学大(学生)は12年ぶりの日本一を狙う. オービックはQB菅原を中心に個の力で上回る. 今季もRB望月(関学大)など大学の主軸が次々と入団している. 今季は尻上がりに調子を上げてきた. 16日のジャパンエックスボウルでは、今季春季リーグを含め唯一敗れていた富士通に24―16で完勝. 4連覇、優勝8度とも自身の記録を塗り替えた. 歓喜も一瞬だけ. 試合直後、大橋監督は「絶対に止まるな. 俺たちが一番強いと証明しよう」とライスボウルへ選手の気持ちを引き締め直した. 関学大は強力な守備陣が持ち味. 15日の甲子園ボウルでは、日大相手に4回のQBサックを記録した. 豊富な練習量を背景に、攻撃では奇策を練り、遂行する力を持つ. 前回大会でも残り10秒まで、リードしていた. 昨季の主要なポジションを担っていた選手は卒業したが、鳥内監督は「今年の方がいいかな. 自分たちが弱いと分かっているから」と自信をのぞかせる. ここ9大会で学生は1勝だが、数字よりも力の差はない. (吉田純哉).